国際理解を深め、地球規模の課題を考える文化的な総合施設「あーすぷらざ」から、世界のゲームの一つとしてキャロムを取り上げたいという話があった。「あーすぷらざ」は、神奈川県立地球市民かながわプラザの愛称である。
「あーすぷらざ」では、世界の国々の暮らし、特に民族衣装や楽器、玩具を子供たちに肌で触れてもらうという参加型の展示スタイルをとり、このなかで各国のゲームも扱っている。もちろん、日本キャロム連盟では広報活動の一環として、喜んで協力することになった。
「あーすぷらざ」では、小学生を対象に2回の練習会を開いた上で、王座決定戦を計画しているという。しかし、キャロムはスポーツゲームで練習を積まないと試合が成立しない可能性があるので、日本キャロム連盟で簡単なルールを考えることにした。
インドでもスリランカでも、子供用にコインの数を少なくすることはある。キャロムの入門には有効な手段であることから、コインの数を少なくし、ペナルティーも少なくする「あーすぷらざ」ルールを作った。
第1回練習会は2月7日、「あーすぷらざ」のこどもの国際理解展示室にボード設置した。日本キャロム連盟のほか「あーすぷらざ」の職員とボランティア・スタッフが指導にあたった。やはり、小学生がストライカーを弾くことが難しいようである。第2回練習会は3月7日に第1回と同じ要領で行われたが、王座決定戦においてゲームが成り立つのか少し不安が残るものだった。
キャロムの王座決定戦は3月29日(日)、キャロムのほか同時進行でパパンチョンカの王座決定戦も行われた。まず、13時30分からキャロムの前日本チャンピオン同士によるデモ試合が、ダンミカさんとウダラさんによって行われ、高度なテクニックを駆使するゲームが披露された。その後、今回の実行委員長から開会宣言があり、試合開始となった。
キャロムは、小学生8人によるリーグ戦が始まったが、欠席が出たので7人による総当たりである。ほとんどのゲームで時間切れもなく、きれいに勝敗を決める。練習会での様子を心配していたが、小学生は何と試合ではすこぶる上達していた。王座は、少し練習ができる環境にあった大輝君が射止めた。
今回のメインは小学生であるが、練習会などを通じて大人の王座決定戦も行うことになった。大人の王座決定戦は広報する時間もなかったようで、参加は5人と少ない。大人戦ではスリランカ人ヴィジタさんが慣れないルールに戸惑いながらも優勝した。
表彰式の後、最後のプログラムは王座に輝いた人が前日本チャンピオンに挑戦できる栄誉を与えられている。王座の大輝君は、コイン数が多い国際ルール(白のコイン9個、黒のコイン9個)で、参加者とギャラリーが見守るなかウダラさんに挑戦した。
初めての試みでもあったが、小学生の学習能力や運動神経の良さでギャラリーもキャロムを楽しむことができた。次回の王座決定戦がおおいに期待できる。
最後に王座決定戦の準備にあたられた「あーすぷらざ」のスタッフの皆さん、お疲れ様でした。
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